Body-Talk Topics(トピックス)

Body-Talk Topics バックナンバー

[2008年10月]

テーマ/「羊水感覚の暖かな声で」_vol.10

 「小6の娘が、朝、グズグズしていて学校に遅れるのです。行ってしまうとケロッとして、楽しくしているのですが・・・」と、一人のお母さんから質問がありました。子育ての講演終了後のことです。彼女の苛立った声と表情から、私はピンッと感じるものがありましたので、「寝る前に子守唄を歌ったり、お話をしたりしていますか?」と、逆に質問しました。「いいえ。早く寝ないと学校に行けないでショ!と、ガミガミ言っています」という答えでした。質問する人が行列を作っていたので、私は簡単にアドバイスすることにしました。「それでは、今晩は学校であったことを聞いたり、好きな歌を枕元で歌って、寝かせてあげてください」

 よく朝、彼女から電話がありました。「先生、不思議なことが起こりました。朝、起きてみると、娘は学校へ出かけてしまっていました。どうなったんでしょうねぇ」と。「その仕組みが分かりますか?」と、私は笑顔で答えました。「娘さんは学校で楽しくしながらも緊張しているのです。それで家に帰った時は、ホッとしたいのです。疲れた心や体を、家庭の暖かさに包まれて癒したいのです。ところが、お母さんが先のこと、先のことを考えて、娘さんを追い立てると、家にいても落ち着かないのです。まして、寝る前にガミガミ言われると、体が固くなってじゅうぶんに眠れません。だから、朝、なかなか起きることができなかったようですね」

 子どもはお母さんの暖かく、穏やかな声で子守唄を歌ってもらうと、まるで胎児が羊水に包まれて安心するように、安堵感をもって眠ることができます。そうすると幸せな気分で、深い眠りに落ちるのです。グッスリ眠ることができると、心も体もリフレッシュされて、朝は起きたくてウズウズするものなのです。大原則として、生命は暖かく包まれることで、スクスクと成長します。子育ては特に、暖かい息で子どもの内なる生命を保証したいものです。