Body-Talk Topics(トピックス)

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[2009年1月]

テーマ/「耐えることを知る子ども達」_vol.11

 昨年の夏、子どもミュージカルのメンバー120名で「怪獣のバラード」を踊りました。子ども達は広島球場の芝生いっぱいに広がって、歌いながら飛び跳ねました。広島−ヤクルト戦の5回裏のことです。始球式も含めて、この出演は3回目です。

 さて、問題は出番を待つ子ども達の様子です。4回の裏が始まると、観客席にいた出演者達は一斉にセンター倉庫に集合します。ここで待機するのです。ところが倉庫の中は真っ暗、それに芝生やベースや諸々の器具が積み上げられていて狭い!それに肥料のニオイがくさい!それだけでも悪条件なのに、シャッターが閉じてあるのでアツイ!!もう蒸し風呂状態。こんな環境に子ども達が閉じ込められているのですから。一緒にいる私も、よくぞ子ども達がガマンしているな、と思いました。

 5回裏が何時やってくるかわからない中で、20分は経過したでしょうか。係の男性が「さあ、シャッターを開きます!」と大声で言いました。ゆっくり開くシャッターの下から涼しい風がドンドン流れ込んできます。倉庫内が球場のライトで明るくなった途端、子ども達は歓声を挙げて飛び出しました。大観衆の「ワァーッ」というどよめきが、やがて音楽に乗って手拍子に移っていきます。煌々と照らされる外野芝生の上で、幼い生命が思いっきり弾んでいます。

 それにしても、この輝かしい2分間の踊りのために、文句も言わずに窮屈な倉庫の中で耐えた子ども達の精神力は、どこから生まれたのでしょう。それは大きな喜びを前にして、ガマンをしなければならない状況なのだ、と子ども達がわかっているからなのです。更に言うなら、ジッとガマンする時間があったからこそ、球場に飛び出すエネルギーが爆発したのだとも言えます。大きなストレスの後にやって来る大きな喜び−これこそが生命をふくらませる原動力だと考えています。