Body-Talk Topics(トピックス)

Body-Talk Topics バックナンバー

[2009年10月]

テーマ/「穏やかな声掛けで難しい仕事もスムーズに」_vol.14

 家庭用の大型冷蔵庫を買い換えました。玄関から台所へ運びこむにはギリギリのサイズです。運送屋さんが二人で入れ替えてくれました。持ち上げるだけでも大変なのに、相手の姿が見えないままに運ばなければなりません。狭い廊下を通って、カーブしてドアを抜けていくので、どんな運び方をするのだろう、と私は興味津々で見ていました。

 お互いの声の掛け方に関心しました。小さく穏やかな声の中で、冷蔵庫は少しずつ移動していきます。後方の人が底から持ち上げて「2歩進みます」と言います。2歩といってもせいぜい20センチほどです。前方の人は、持ち上げながら「どうぞ」と答えます。「左へ45度カーブします」「どうぞ」「部屋に下りてください」と言いますのは、廊下から台所へのドアを抜けると床が少し低くなっているのです。「前へ少し傾けますから、床に降ろして少し引っ張って下さい」「どうぞ」 こんな風に小マメに声を交わして、冷蔵庫はまるで大きな生き物のように、あるべき所へ収まりました。その間、5分くらいでしょうか。
いくら商売とはいえ、こんな重く難しい移動を、やわらかな声掛けで見事にやり遂げるお二人に思わず拍手してしまいました。

 お二人の頭の中には、冷蔵庫がゆっくりと動いていくイメージが明確にあるのだと思います。それにしても、この空気の穏やかさは何なのでしょう。無駄なく、迷いなく、シンプルな指示に対して、合いの手の声は、タイミングのよく入っています。
ボディートークの人間関係法にしたいような、素晴らしい場面でした。