Body-Talk Topics(トピックス)

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[2011年1月]

テーマ/「自然で 素直で 豊かな全身表現を」_vol.19

 赤ちゃんは泣いたり笑ったりして、自分の感情や欲求を伝えようとしています。これらの営みは、生命の「表出」です。意図なく本能的に思わず出たものです。これらの生命の表出は、表現の土台となるものです。赤ちゃんにとって、これから始まる人生に不可欠の表現を準備しているものと思われます。

 さて表出は、ビックリして目を丸くするとか、嬉しくて思わず飛び上がるとか、などのような必然的な行為ですから、表現とは一線を画しています。表出は意思なく行なうものです。それに対して表現は、意思が根底にあります。その意味で表現を絵画や踊り、音楽などの芸術分野に限定することなく、もっと広い意味で日常生活も含めて、生まれた時から死に至るまで、誰でも一生、表現し続けるものだと考えています。でも今世の中は、自分の意思を伝える時、「全身で表現する」ということが少なくなってきています。そこで私は67年生きてきた今、改めてその表現が自然であり、素直であり、かつ豊かな全身表現の大切さを伝えていきたいと切に願っています。

 「自然である」とは、魚や鳥の本体にふさわしく、尻尾の大きさや形などがあり、広い意味で宇宙の流れや体系に適っているということ。また、「素直である」とは、表現する人の心や体や頭の働きが一つになって、内から必然的に生み出されるということです。その結果、表現の内容が深くなり、味わいが「豊かになる」ということです。この世には様々な表現がありますが、私は「自然・素直・豊か」をベースとした表現の世界が、さらに膨らむ年になることを夢見ています。