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[2011年4月]

テーマ/「まずは生きている、という実感」_vol.20

 大変な事態が起こりました。巨大地震に20mもの大津波。それに原発事故の放射能の流出。これでもか、とばかりに襲いかかる天災と人災です。神戸の震災を目の当たりにした私たちにとっても、それをはるかに上回る規模と広域の大災害です。多くの方が亡くなりました。行方不明の方たちの安否も気遣われます。こんな事態に遭遇した時、絶望の淵に陥る人といちるの望みをもって生きる人との差はどこにあるのでしょうか。

 その一つは、苦難の中にも喜びを見つけることができる能力をもっているかどうかです。その喜びに焦点を当てて、生きる気力を高めることが可能になります。苦悩は生きているからこそ起こる感情です。喜びも生きているからこそ生まれるものです。私の腎臓は昨年の夏から急に悪くなりました。病院で血液検査を受ける毎に、クレアチニンの数値が上がっていくのです。「8.3になれば、人工透析の準備のための手術を腕に施しましょう」と医師から宣告されてしまいました。そのことを城石先生に電話をすると、「生きているというだけで儲けものじゃない」と励まされました。それもそうだな、と納得して人工透析を受ける覚悟がつきました。

 今生きているのだ、という実感は確かな手ごたえがあります。どうか、被災に合われた人たちがこのような実感を持って、「下確か」に立ち上がっていただきたいと思います。日本中の人が人事ではないと心配していることでしょう。気の遠くなるような道のりであっても、復興への道が一歩ずつ進んでいることを信じて、元気を取り戻していただくことを切に願っています。