Body-Talk Topics(トピックス)|暖かい息で生きていますか

Body-Talk Topics バックナンバー

[2012年1月]

テーマ/「持って生まれた感性に磨きを!」_vol.22

新年 あけましておめでとうございます

 昨年、広島でのミュージカル公演を見に来たおばあちゃんと5歳になる女の子の話です。白雪姫が毒のリンゴを食べて眠ってしまいました。王子様が現れて魔法使いのお妃をやっつけてくれたのですが、それでも白雪姫は眠りから覚めません。小人達や侍女達が白雪姫を囲んで、嘆きの歌を歌います。♪かわいそうなお姫様 毒のリンゴを食べたから 死んだみたいに眠ったまま・・・♪

 この歌を聞きながら、女の子はポロポロ涙を流しました。それに気づいたおばあちゃんが、「どうしたの?」と尋ねました。泣きながら女の子は答えました。「おばあちゃんは、この場面を見て悲しくないの?」公演後にこの話を聞いた私は、大変感動しました。女の子は純粋に嘆きの歌に共鳴しているのです。例えつたない表現であっても、白雪姫の運命を直感的に捉えて悲しんでいるのです。純粋に本質だけをつかんで悲しんでいるのです。

 子どもが有する直観力はとてもするどい。ミュージカルを指導する中で、子ども達の感性に感心もします。ですから子ども達に分かる言葉で、大切なことだけを伝える必要があります。ゆめゆめ油断ならないのは、子どもの感性を歪めないことです。私は練習に参加している子ども達を、目をそらさず真正面から見つめることを心掛けています。そして一瞬の間に頭をクルクル働かせて、必要な言葉を取捨選択します。子ども達の素敵な感性を前にして、私は知恵を膨らませ、言葉に磨きをかけるのです。こんなミュージカルを、私は生きている限り作り続けていきたいと思っています。